高校サッカー決勝

野洲高校が見事に優勝。あのパス回しとトリッキーなプレーにファンになった人も多いやろうね。確かに見てておもしろいサッカーやった。

野洲高校で特徴的やなと思ったのは、実はボールのトラップの仕方。ボディシェイプが非常にいい。他の高校と比べて、より前を向けるようなトラップをしてる。結構プレスがかかってる場面でもより体に引きつけてトラップをしている印象やね。これは相当練習せえへんとできひんよなあ。

何年か前に同じ滋賀から草津東がでてきて、頑張ったんやけど、その時もそういうトラップをしてて驚いた覚えがある。

ただ、実況は新時代を築いたと言ってたけど、これはまだわからん。一石を投じたのは確かやけどね。DFからちゃんと繋げる技術を持った選手を揃えるのは、やっぱり高校では難しいやろうからねえ。それにチャレンジをしてくる高校が増えるのはええことやと思うけど。

それにしても野洲のサッカーはホンマにおもろかった。ただ、あの静岡学園をなんか重なってしまう部分もあるんやね。知らん人のために参考に書いてみると、静岡学園はカズが中退した学校・・・やねんけど、カズが静岡学園に入るより前、1976年の大会で、杉山兄弟を中心にひたすらドリブルで抜くという戦術の元、決勝まで勝ち上がって浦和南と5-4という歴史に残る激闘をした高校。それも最初、浦和南が3-0でリードして、それから3-1、4-1、4-2、5-2、5-3、5-4という非常に激しいゲームやったんでよう覚えとる。

当時の静岡学園は優勝した浦和南より賞賛されたんやけど、結局その後も1995年まで優勝はできひんかった(鹿児島実業と同時優勝)し、優勝の時も、ちょっとドリブル・ドリブルという感じではなかった。また、同じような戦術を使って決勝までくる高校もなかった。今回の野洲はそれに近いモノがあって、あの時優勝できなかったのが、30年経ってようやくということになるかもしれん。

わしの考えでは、決して国見に代表されるようないわゆる放り込みサッカーも嫌いではないし、以前の市立船橋のように守備の堅さをベースとしたサッカーも魅力的に写る。もちろん、今回の野洲のようなサッカーも好きや。ただ、どれか一つになるんやなくて、いろんな特色がある、これが大事なんとちゃうかな。

ボールを繋ぐゲームを楽しみたければ、正直言えばJユース見てた方がおもろいし、巧いと思う。ただ、こういう流れが高校サッカーでもあればより楽しめるということかなあ。

だからこそ、これからも野洲高校には頑張ってほしいし、それに続くチームも出てきて欲しい。それから放り込み派の方もどうやったら野洲に勝てるかを考えて、またいいチームを作って欲しいな。