特許事務所

今日は特許事務所の先生と打ち合わせがあったんやわ。普通、わしらが特許を出す場合はアイデアを書いたメモを出して、それを見て特許課の担当の人が最終的な文章を誰が書くか決めることになっとる。もちろん、原案は自分で書くんやけど、特許は独特の言い回しや句読点の使い方があるんで、専門の人やないとあかんわけやね。

この専門の人を弁理士っちゅうて、この資格を取るのはメッチャ難しい。うちの会社にもあまりおらへんので、そうなると外部の人に頼まんとあかんわけや。特許事務所はそういう意味で非常に便利なところなんやな。もちろん、弁理士がいないと開業できひんし、そこで働いてる人は当然弁理士を目指しているわけやから、メッチャ熱心なんやわ。わしらのような仕事をする人間にとってはホンマにありがたいところなんやな。

その特許事務所でもいろいろとあって、得意分野が決まっとるみたいなんやわ。ここはソフト関係が得意な事務所、あそこは回路関係が得意な事務所っちゅう感じでな。わしの場合は半導体やから、半導体に強い事務所にお願いしてるわけやな。ほんで、これまではF特許事務所っちゅう所にお願いしてたんやけど、全体の出願数が増えてまかないきれへんようになったんやわ。ほんで、今回から新たにM特許事務所にお願いすることになって、今日が初めての打ち合わせやったわけや。

わしらにとって、いい特許事務所っちゅうのは、簡単なメモだけで広い範囲の権利を取ってくれる所や。そのためにはある程度専門知識を持ってくれへんと困るんやわ。今回は最初っちゅうことで、ある程度詳しいちゅうか、ほとんど出願に近い形式でわしの方が準備したから、打ち合わせはめっちゃスムースにいったわ。印象では割と鋭い勘を持った先生やから、今後もお願いできそうな感じやった。

打ち合わせが終わったあと、雑談しとったんやけど、そこでちょっとビックリするような話が出たわ。特許の文章を作るのをどないしてるかっちゅうたら、まず先生が文章を考えてそれをテープに吹き込み、そのテープを聴いて秘書がキーボードを打つっちゅうことやった。最近は電子出願っちゅうて、テキストデータ形式の出願が推奨されてるから、この方法が一番効率的らしい。最近はこういう特許事務所が増えているそうやわ。

そやけど、テープで聴いたのをそのまま打つっちゅうのはメチャクチャはキータイプのスピードがいると思うなあ。専門用語とかもあるし、漢字やカタカナ、英文も混じってるからホンマに大変やとは思うんやけど、これをこなしてる人がおるねんなあ。こんな人やったら、ゲーセンにあるキーボードを打つゲームなんか楽勝やろうな(^^;。

しかしわしが一番驚いたんが、先生が頭の中だけで文章を考えて、それを読み上げるっちゅうこと。普通は読み上げるために書くんやけど、この人は逆やもんなあ。画面を見ながら文章を考えるのはメッチャ疲れて効率が落ちるんで、簡単なメモだけ見てテープに吹き込んだ方が頭の中も整理されていいっちゅう話やってんけど、ちょっとわしには理解できひんわ。なんせ、ホンマに文章がややこしいもんな。わしなんか他人の特許読んでるだけで気ぃ狂いそうになるのになあ。やっぱりその道のプロっちゅうのは恐ろしいもんやね。