提案

先月から鳥取へ3年ほど出向していた先輩が帰ってきてるんやけど、いろいろとおもろい話を聞かせてくれるんやわ。鳥取は一応別会社になるんやけど、うちの部署から言うと事業部のような感じで密接に繋がってるから、先輩も出向してたわけなんやわ。

で、やっぱり研究所と事業部ではいろいろと違うそうや。一番違うと感じたのは、事業部はコスト意識がもの凄く高いっちゅうことやったらしい。確かにわしらの仕事はある意味、浪費してなんぼっちゅうところがあるからな。

コスト意識はいろいろな制度にも現れていて、なかでも一番身近なのが「提案制度」というものやったそうや。仕事に関わる全ての事について改善の提案を行うというもので、全員が最低月に1つは出さへんとあかんらしい。提案を1つ出せば最低でも50円貰えるから、どっちかというとそれバッカリ気にしてた人もいたそうや。

どんな提案があるかというと、それはもう多岐に渡っていて、例えばウエハの処理方法の改善といった非常に専門的なものから、メモ帳のサイズ変更なんていうものまであったそうや。

ある時、女子社員(おばちゃん)の一人が昼礼でスピーチをしたそうや。

「最近、男子社員のマナーが悪いと思います。歩くときにポケットに手を突っ込んで歩いている人が多いです。」
「ポケットに手を突っ込んでいればとっさに行動できません」
「特にI部長はいつもポケットに手を突っ込んでいます。これでは社会人として問題があると思います。」

うん、確かにこれはちょっと行儀悪いわな。と先輩も思ったそうや。ところがそれからが・・・・

「そこで提案をします。」
「男子社員のズボンのポケットを全て縫いつけましょう。」

先輩達は昼からなかなか仕事にならへんかったそうや(笑)。いやあ、しかし凄い発想やわなあ。