さて、先週の土曜日に、大学時代のS助教授の退官記念パーティがあったんやわ。わしの卒業と同時に教授になって、この3月で定年を迎えたっちゅうわけやね。わしは、そのS助教授についてたわけやないし、ハッキリ言うて嫌いなおっさんで、ようケンカもしたんやけど、出席することにした。その理由は某自動車メーカーに行った栃木在住の同期に会いたかったのと、わしの恩師がくるからやな。

わしの卒業と同時に名誉教授になって退官されたK先生は、ホンマ飾らない人で、ええ人やった。学校におるときは正月3日には家に招待してもらって、一緒に酒をのんで、ああだこうだと言ってた。専門分野では神様とまで言われた人やけど、全然偉ぶったところがなく、わしらにとっては話のしやすい先生で、研究に苦しんだときでもいつも笑顔で励ましてくれてアドバイスをいただいた。最近、便りがあらへんかって、どうしたんかなと思ってたんやわ。なんせもう80歳近くのはずやから。

意外っちゅうたら失礼やけど、K先生はホンマに変わってへんかった。いつもの服(わしらは一張羅とちゃうかといってた)に甲高い声、落ちそうなメガネ、絶やさぬ笑顔。ホンマ懐かしかったなあ。わしのこともしっかり覚えてくれてはった。なにより病気してへんで、元気やったんが一番嬉しかったな。

K先生、先生の最後の弟子はこんなしょうもない奴で、相変わらずアホばっかりやってすけど、それなりに頑張ってます。先生もいつまでもお元気で。